会社のNASに保存しているファイルを、自宅や外出先から確認したいことはありませんか。
テレワークや外出先で仕事をする機会が増えると、
「社外からNASへアクセスできれば便利」
と考える企業も多いでしょう。
しかし、NASには顧客情報や見積書、契約書、社内資料など重要なデータが保存されていることがあります。
そのため、利便性だけを考えてインターネットからアクセスできるようにするのはおすすめできません。
そこで選択肢になるのがVPNを利用したNASへのリモートアクセスです。
VPNを利用すれば、インターネット経由の通信を暗号化し、社外から社内ネットワークへ接続したうえでNASを利用できます。
ただし、
「NASへ外部アクセスするなら必ずVPNが必要」
というわけではありません。
NASメーカーが提供するリモートアクセス機能やクラウドサービスなど、VPN以外の方法もあります。
この記事では、NASへ外部アクセスする主な方法を比較しながら、法人・中小企業ではVPNが必要なのか、安全に利用するには何に注意すればよいのかを解説します。
- 法人・企業がNASへ外部アクセスする前に確認したいこと
- NASへ外部アクセスする方法は主に3つ
- NASをインターネットから直接利用する方法
- NASメーカーのリモートアクセス機能を利用する方法
- VPN経由でNASへアクセスする方法
- NAS外部アクセスにVPNは必要?
- NASへの外部アクセスでVPNを使うメリット
- VPNを使えばNASは完全に安全?
- NASへ外部アクセスするときの7つのセキュリティ対策
- VPNを自社で構築する場合の注意点
- NASへのVPN導入にはいくらかかる?
- IT担当者がいない会社はどうすればいい?
- NAS外部アクセスでVPNを選ぶときのチェックポイント
- NAS外部アクセスでよくある質問
- まとめ|法人のNAS外部アクセスは安全性と管理のしやすさで選ぼう
法人・企業がNASへ外部アクセスする前に確認したいこと
法人でNASへの外部アクセスを導入する場合は、単に「社外からファイルを開けるか」だけで方法を選ばないことが重要です。
特に確認したいのは、セキュリティ、利用人数、アクセス権限、運用担当者、導入後の管理方法です。
個人利用とは異なり、企業のNASには顧客情報や契約書、見積書、社内資料などの業務データが保存されていることがあります。そのため、外部アクセスを導入するときは「誰が・どの端末から・どのデータへアクセスできるのか」をあらかじめ決めておきましょう。
また、専任のIT担当者がいない中小企業では、導入後の設定変更やトラブル対応まで含めて外部アクセス方法を比較することが大切です。
この点を踏まえ、NASへ外部アクセスする主な方法を次から比較していきます。
NASへ外部アクセスする方法は主に3つ
NASへ社外からアクセスする方法は、大きく分けると次の3つがあります。
- NASをインターネット経由で直接利用する方法
- NASメーカーのリモートアクセス機能やクラウドサービスを利用する方法
- VPN経由で社内ネットワークへ接続する方法
それぞれ特徴が異なります。

NASをインターネットから直接利用する方法
NASによっては、外部からアクセスできる機能を備えています。
設定によってはインターネット経由でNASへ接続できるため、社外からファイルを確認できて便利です。
ただし、NASを外部からアクセス可能な状態にする場合は、セキュリティ対策が非常に重要です。
たとえば、
- 強固なパスワード
- 多要素認証
- NAS本体のアップデート
- 不要なサービスを公開しない
- アクセス権限を適切に設定する
- ログを確認する
などの対策が必要になります。
特に法人では、NASに重要な業務データが保存されているケースが多いため、「アクセスできればよい」だけで判断しないことが重要です。
NASメーカーのリモートアクセス機能を利用する方法
NASメーカーによっては、インターネット経由でNASへアクセスするための専用機能やサービスを提供しています。
この方法のメリットは、比較的簡単に利用できることです。
複雑なVPN環境を自社で構築しなくても利用できる場合があります。
ただし、
- 対応しているNAS
- 利用できる端末
- 認証方式
- 通信方式
- アクセス権限
- サービス提供期間
- 法人利用の条件
などは確認しておきましょう。
会社で利用する場合は、利便性だけではなく、そのサービスを誰が管理するのかまで考える必要があります。
VPN経由でNASへアクセスする方法
もう一つの方法がVPNです。
VPNを利用すると、自宅や外出先のパソコンからインターネット経由でVPNへ接続し、社内ネットワークへアクセスできます。
その社内ネットワーク内にあるNASを利用する仕組みです。
イメージすると、
自宅PC → インターネット → VPN → 会社のネットワーク → NAS
となります。
NASそのものを直接インターネットへ公開するのではなく、まずVPNへ接続してからNASを利用するのがポイントです。

NAS外部アクセスにVPNは必要?
結論からいうと、
NASへ外部アクセスするためにVPNが必須とは限りません。
NASメーカーが提供する安全なリモートアクセス機能や、業務に適したクラウドサービスなどを利用できるケースもあります。
ただし法人で、
- 社内NASへアクセスしたい
- 社内ネットワーク上のファイルを利用したい
- 複数の社員がテレワークする
- 社内システムにもアクセスしたい
という場合には、VPNは有力な選択肢になります。
特にNASだけではなく、社内ネットワーク上の複数のリソースを利用したい場合は、VPNを検討する価値があります。
NASへの外部アクセス方法そのものについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
関連記事:NASに外部からアクセスする方法
NASへの外部アクセスでVPNを使うメリット
通信を暗号化できる
VPNの大きな役割の一つが、通信を暗号化することです。
社外から会社へ接続するときの通信を保護し、第三者による盗み見などのリスクを低減します。
NASを直接公開せずに利用できる
構成によりますが、NAS自体をインターネットへ直接公開せず、VPNへ接続したユーザーだけがNASを利用できるようにできます。
これは法人利用では大きなメリットです。
社内ネットワーク上の他の機器も利用できる
VPNはNAS専用の仕組みではありません。
構成やアクセス権限によっては、
- ファイルサーバー
- 業務システム
- 社内PC
- プリンター
- その他の社内機器
などを利用するためにも使われます。
利用者を管理できる
法人向けVPNでは、社員ごとにアカウントを発行して管理できるサービスがあります。
社員が退職したときにアカウントを停止するなど、利用者管理を行えることも重要です。
NASへ安全にリモートアクセスしたい中小企業へ
「自宅から会社のNASを使いたいけれど、VPNの構築方法が分からない」
という場合は、自社でVPN環境を一から構築する以外に、法人向けリモートアクセスVPNを利用する方法もあります。
特にIT担当者がいない会社では、機器の価格だけでなく導入や管理のしやすさまで比較しましょう。
VPNを使えばNASは完全に安全?
ここは非常に重要です。
VPNを利用しただけでNASが完全に安全になるわけではありません。
VPNは主に通信やリモート接続の安全性を高める仕組みです。
一方、
- パスワードが流出する
- パソコンがマルウェアに感染する
- NASに脆弱性がある
- 社員がフィッシングに遭う
- アクセス権限の設定を間違える
といった問題は、VPNだけでは防げません。
したがって、
VPN+NAS+端末+認証+社員教育
を組み合わせて考える必要があります。
VPN利用時の具体的な対策はこちらで詳しく解説しています。
関連記事:VPN利用時のセキュリティ対策|中小企業が注意したいポイントを解説
NASへ外部アクセスするときの7つのセキュリティ対策
1.NASを最新状態にする
NASのOSやファームウェアには、セキュリティ更新が提供されることがあります。
導入したまま放置せず、メーカーから提供される更新情報を確認しましょう。
2.初期パスワードを変更する
NASやネットワーク機器を初期パスワードのまま利用するのは避けます。
推測されにくいパスワードを設定し、他のサービスとの使い回しも避けましょう。
3.多要素認証を利用する
NASやVPNサービスが多要素認証に対応している場合は、利用を検討します。
パスワードだけに依存しない認証方法を追加することで、不正ログインのリスクを低減できます。
4.不要なアカウントを削除する
退職者や、現在NASを利用していない社員のアカウントが残っていないか確認します。
利用者を定期的に棚卸しすることが重要です。
5.アクセス権限を必要最小限にする
全社員がすべてのフォルダへアクセスする必要があるとは限りません。
営業部、経理部、管理部など、業務に応じて必要なフォルダだけ利用できるようにします。
6.接続するPCも保護する
NASやVPNだけを安全にしても、社員のパソコンがマルウェアに感染していれば情報漏えいにつながる可能性があります。
OSやソフトウェアを最新状態にし、会社のセキュリティルールに沿って端末を管理しましょう。
7.バックアップを取る
NASはバックアップそのものではありません。
NASの故障、誤削除、ランサムウェアなどに備え、重要データは別の場所にもバックアップしておくことが重要です。
VPNを自社で構築する場合の注意点
VPNは自社で構築することもできます。
VPN対応ルーターなどを利用し、社内ネットワークへ外部から接続できる環境を作ります。
ただし、導入後には、
- VPN機器の設定
- ユーザー管理
- ファームウェア更新
- アクセス権限管理
- トラブル対応
- セキュリティ情報の確認
などが必要になります。
つまり、VPN機器を購入すれば終わりではありません。
中小企業向けVPN機器の選び方はこちらで解説しています。
NASへのVPN導入にはいくらかかる?
VPNを導入するときには、VPN機器代だけでなく複数の費用が発生する可能性があります。
たとえば、
- 初期費用
- VPN機器
- 月額利用料
- インターネット回線
- 固定IP
- 設定費
- 保守費
- 社内の管理工数
などです。
そのため、
「VPNルーターが○万円だから、それだけで導入できる」
とは限りません。
導入後の運用まで含めて比較する必要があります。
VPN導入費用についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:VPN導入費用はいくら必要?初期費用・月額料金・運用コストを徹底解説
NAS外部アクセスにかかる費用はこちらも参考にしてください。
関連記事:NAS外部アクセスにかかる費用
IT担当者がいない会社はどうすればいい?
中小企業では専任のIT担当者がいないケースも珍しくありません。
「NASは導入したけれど、ネットワークの詳しいことは分からない」
という会社もあるでしょう。
この場合、自社でVPN機器を購入してすべて設定・管理する方法だけが選択肢ではありません。
導入や運用をサポートしてくれる法人向けVPNサービスを利用する方法もあります。
比較するときは、
- 初期設定は難しくないか
- VPN機器を購入する必要があるか
- ユーザー追加は簡単か
- トラブル時に相談できるか
- アップデートを誰が管理するか
- 利用人数に合った料金か
などを確認しましょう。
IT担当者がいなくてもNASへ外部アクセスしたい場合
NASへのリモートアクセスでは、**「接続できるか」だけでなく「安全に運用し続けられるか」**が重要です。
VPN機器の設定や保守に不安がある場合は、導入・運用負担まで含めて法人向けサービスを比較しましょう。
NAS外部アクセスでVPNを選ぶときのチェックポイント
利用人数
VPNサービスによってはユーザー数によって料金が変わります。
実際に社外からNASを利用する社員が何人いるのか確認しましょう。
利用する端末
Windows、Mac、スマートフォンなど、どの端末から利用するのか確認します。
サービスによって対応環境が異なるためです。
セキュリティ機能
認証方法や通信方式、アクセス管理などを確認します。
VPNだけでセキュリティ対策が完了するわけではありませんが、法人利用では重要な比較項目です。
サポート
IT担当者がいない場合は特に重要です。
接続できなくなった場合に、誰へ問い合わせればよいのか確認しておきましょう。
費用
初期費用と月額料金だけでなく、機器、回線、設定、保守まで含めた総額で比較します。
NAS外部アクセスでよくある質問
NASへ外部からアクセスするにはVPNが必須ですか?
必須ではありません。
NASメーカーのリモートアクセス機能やクラウドサービスなどを利用する方法もあります。
ただし、会社の社内ネットワークへ安全に接続してNASを利用したい場合、VPNは有力な選択肢です。
VPNを使えばNASをインターネットに公開しなくて済みますか?
構成によりますが、NAS自体をインターネットへ直接公開せず、VPN経由で社内ネットワークへ接続して利用する構成が可能です。
自宅から会社のNASへアクセスできますか?
適切なリモートアクセス環境を構築すれば可能です。
VPNを利用する場合は、自宅PCからVPNへ接続し、その後社内ネットワーク上のNASへアクセスします。
NASにVPN機能がなくても利用できますか?
NAS本体ではなく、ルーターやVPN機器、VPNサービス側でリモートアクセス環境を構築する方法があります。
必要な構成は利用しているネットワーク環境によって異なります。
VPNなら公共Wi-FiからNASへアクセスしても安全ですか?
VPNは通信の安全性を高めますが、公共Wi-Fi利用時のすべてのリスクをなくすものではありません。
端末のセキュリティ対策や不審なWi-Fiへ接続しないなどの対策も必要です。
まとめ|法人のNAS外部アクセスは安全性と管理のしやすさで選ぼう
NASへ外部からアクセスする方法は一つではありません。
主な選択肢として、
- NASを外部から利用できるようにする
- NASメーカーのリモートアクセス機能を利用する
- VPN経由で社内ネットワークへ接続する
などがあります。
VPNは必須ではありませんが、社内NASや社内ネットワークへ外部から安全にアクセスするための有力な方法です。
ただし、VPNを導入すればそれだけで安全になるわけではありません。
NASのアップデート、パスワード、多要素認証、アクセス権限、端末管理、バックアップなども組み合わせる必要があります。
そして中小企業では、
「誰がVPNを管理するのか」
も重要です。
VPN機器を購入するときは価格だけでなく、導入後の設定・保守・トラブル対応まで考えて選びましょう。
NASへ安全にリモートアクセスできる環境を作りたい方へ
自社でVPN機器を設定・管理することが難しい場合は、法人向けリモートアクセスVPNを利用する方法もあります。
特にIT担当者がいない会社なら、導入費用だけでなく設定・運用・サポートまで含めて比較することが大切です。


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