会社のNASに保存しているファイルを、自宅や外出先から利用できるようにしたい場合、気になるのが導入費用です。
「VPN機器を買えばいいのか」
「毎月料金がかかるのか」
「10人程度の会社なら、いくら用意すればいいのか」
など、費用の仕組みが分かりにくいと感じる方も多いでしょう。
NASへの外部アクセスには、
- NASメーカーのリモートアクセス機能
- VPN
- クラウドサービス
- リモートデスクトップ
など複数の方法があります。
どの方法を選ぶかによって、初期費用だけでなく、月額料金や機器代、設定費、保守費なども変わります。
そのため、単純に「一番安い方法」を探すのではなく、導入後の運用費まで含めた総額で比較することが重要です。
この記事では、中小企業がNASへ外部アクセスする環境を導入するときに必要となる費用と、コストを比較するときのポイントを解説します。
NAS外部アクセスの費用は方法によって変わる
NASへの外部アクセス方法によって、必要になる費用は異なります。
まずは大まかな違いを整理してみましょう。
| 方法 | 主に必要になる費用 | 月額費用 | 管理負担 |
|---|---|---|---|
| NASメーカー機能 | NAS本体・設定 | 無料~有料 | 比較的小さい |
| VPN | VPN機器・設定・サービス料など | 方式による | 中~大 |
| クラウド | 導入・データ移行 | 利用人数・容量による | 比較的小さい |
| リモートデスクトップ | PC・ソフト・設定など | サービスによる | 中程度 |
※実際の費用は製品、利用人数、ネットワーク構成、契約内容などによって異なります。
重要なのは、初期費用だけで判断しないことです。
【画像①挿入:NAS外部アクセスで必要になる5つの費用】

NASメーカーのリモートアクセス機能を使う場合の費用
NASメーカーが提供するリモートアクセス機能を利用できる場合、比較的低コストで始められることがあります。
すでに対応NASを利用していれば、新たにVPN機器を購入しなくても外部アクセスできる場合があります。
ただし、確認したいのが、
- NAS本体の購入・更新費用
- 対応機種
- 有料サービスの有無
- サポート
- セキュリティ機能
- 利用人数
です。
「追加料金がかからない」という理由だけで決めず、法人で必要な管理機能やセキュリティを満たしているか確認しましょう。
VPN経由でNASへアクセスする場合の費用
法人でよく検討されるのが、VPN経由で会社のネットワークへ接続してNASを利用する方法です。
VPNの場合、大きく分けると、
自社でVPN機器を用意する方法
と、
法人向けVPNサービスを利用する方法
があります。
自社でVPNを構築する場合
必要になる可能性がある費用は、
- VPN対応ルーター
- 初期設定
- インターネット回線
- 固定IP
- 保守
- 機器交換
- 社内管理
などです。
VPNルーターを購入すれば終わりではありません。
導入後にはファームウェア更新やユーザー管理、トラブル対応なども必要になります。
VPN機器の選び方についてはこちらで詳しく解説しています。
法人向けVPNサービスを利用する場合
月額制の法人向けVPNサービスを利用する方法もあります。
料金体系はサービスによって異なり、
基本料金+ユーザー料金
となっているものや、利用人数・拠点数などで料金が変わるものがあります。
初期費用が低くても月額料金が高い場合もあるため、数年間の総額で比較しましょう。
VPN全般の導入費用については、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:VPN導入費用はいくら必要?初期費用・月額料金・運用コストを徹底解説
NASへのVPN導入費を分かりやすくしたい中小企業へ
VPNでは機器代だけでなく、設定・保守・ユーザー管理まで考える必要があります。
IT担当者がいない場合は、機器を自社購入する方法と、導入・運用を含む法人向けVPNサービスの両方を比較すると判断しやすくなります。
クラウドを利用する場合の費用
「NASへアクセスすること」が目的ではなく、
「社外から会社のファイルを利用できればよい」
のであれば、クラウドストレージも選択肢です。
クラウドの場合は、
- 1ユーザーあたりの料金
- ストレージ容量
- オプション
- バックアップ
- データ移行
などによって費用が変わります。
NASを新たに購入する必要がなくなる可能性がある一方、利用人数が増えると月額料金も増える場合があります。
したがって、
現在のNASを活用する場合の費用
と、
クラウドへ移行する場合の費用
を数年間で比較すると判断しやすくなります。
リモートデスクトップを利用する場合の費用
会社のNASへ直接接続するのではなく、
自宅PC → 会社PC → NAS
という方法もあります。
この場合は、
- 社内PC
- リモートアクセスサービス
- 設定
- セキュリティ対策
- PCの電源管理
などのコストを考える必要があります。
NASだけでなく会社のパソコンに入っている業務ソフトも利用したい場合には適しています。
VPNとの違いはこちらで詳しく解説しています。
関連記事:VPNとリモートデスクトップの違い
NAS外部アクセスの費用で見落としやすい5つのコスト
NAS外部アクセスでは、機器代や月額料金以外にも費用が発生します。
1.初期設定
VPNやネットワークの知識が必要な場合、社内で対応できなければ業者へ設定を依頼することになります。
2.固定IPや回線
VPNの構成によっては、固定IPなど追加のネットワークサービスが必要になる場合があります。
すべてのVPNで固定IPが必要なわけではないため、導入前に確認しましょう。
3.機器の更新
NASやVPN機器は永久に使えるものではありません。
故障やメーカーサポート終了などによって交換が必要になることがあります。
4.セキュリティ管理
NASやVPN機器のファームウェア更新、アカウント管理、アクセス権限の見直しなども必要です。
VPN利用時のセキュリティ対策はこちらで解説しています。
関連記事:VPN利用時のセキュリティ対策|中小企業が注意したいポイントを解説
5.社員の作業時間
見落としやすいのが、社内担当者の作業時間です。
たとえば、
「VPNにつながらない」
「新入社員を追加したい」
「パソコンを買い替えた」
といった対応にも時間がかかります。
社員が対応すれば請求書は発生しませんが、会社にとっては運用コストです。

10人程度の中小企業なら何を比較すればいい?
たとえば10人の会社で、5人だけが社外からNASを利用するとします。
この場合、
「社員10人だから10アカウント必要」
とは限りません。
実際に外部アクセスする人数を確認しましょう。
比較するときは、
自社VPN構築
VPN機器+設定+回線+保守+社内管理
VPNサービス
初期費用+基本料金+利用者料金+必要なオプション
クラウド
利用者料金+容量+データ移行+管理
という形で整理すると分かりやすくなります。
だれリモVPNを利用する場合の料金例
法人向けリモートアクセスVPNの具体例として、だれリモVPNがあります。
現在の料金は契約時に公式情報を確認する必要がありますが、料金体系が
月額基本料金+利用ユーザー数
となっている場合、自社で実際に利用する人数を当てはめて比較できます。
ここで重要なのは、
「VPN機器を買う場合より月額料金が高いか安いか」だけで比較しないことです。
自社構築では、
- 機器購入
- 初期設定
- 固定IPなどのネットワーク費用
- 保守
- 障害対応
が別途必要になる場合があります。
サービス型では、それらの一部が料金に含まれる場合があります。
したがって、同じ条件にそろえて総費用を比較しましょう。
IT担当者がいない会社は「管理費」まで比較
NASへ外部アクセスする環境は、導入したあとも管理が必要です。
専任担当者がいない場合は、月額料金だけでなく、設定・保守・問い合わせ対応まで含めた負担を比較することが大切です。
NAS外部アクセスの費用を抑える5つのポイント
1.利用者を必要な社員に絞る
ユーザー課金型サービスの場合、利用者を必要な社員だけにすれば費用を抑えられます。
2.既存NASを活用できるか確認する
すでに会社で利用しているNASがリモートアクセス機能に対応している可能性があります。
まず現在のNASの機種と機能を確認しましょう。
3.固定IPが必要か確認する
VPNの方式によっては固定IPを使う構成がありますが、固定IP不要のサービスもあります。
4.必要以上の構成にしない
5人だけがNASへアクセスする会社と、複数拠点を常時接続する企業では必要なネットワークが異なります。
自社の用途に合った構成を選びましょう。
5.3年間の総費用で比較する
月額料金だけを見ると判断を誤ることがあります。
たとえば、
初期費用+36か月分の月額費用+機器・回線+保守
で比較すると、実際のコストが見えやすくなります。
費用だけでNAS外部アクセス方法を選ばない
費用は重要ですが、最安の方法が最適とは限りません。
法人では特に、
- セキュリティ
- 管理のしやすさ
- サポート
- 対応端末
- 利用人数
- 通信環境
- 将来の拡張性
も比較しましょう。
安く導入できても、トラブルのたびに外部業者へ依頼する必要があれば、結果として高くなる可能性があります。
逆に月額料金が多少高くても、社内担当者の管理負担を減らせるなら、会社全体では合理的な場合があります。
NAS外部アクセス方法そのものを比較したい場合
この記事では費用を中心に説明しましたが、
「そもそもVPN・クラウド・メーカー機能のどれを選べばいい?」
という場合は、先に外部アクセス方法を比較しましょう。
こちらの記事で4つの方法を詳しく解説しています。
関連記事:NASに外からアクセスする方法|中小企業向けに安全なリモートアクセスを解説
また、VPNが本当に必要なのか判断したい場合はこちらです。
関連記事:NAS外部アクセスにVPNは必要?法人・中小企業向けに安全な方法を解説
NAS外部アクセスの費用についてよくある質問
NASへ外部アクセスするだけなら無料でできますか?
NASメーカーの機能などを利用して追加料金を抑えられる場合があります。
ただし、NAS本体、インターネット回線、管理などのコストは別に考える必要があります。
VPNを導入するにはVPNルーターが必要ですか?
構成によって異なります。
自社でVPN対応ルーターを利用する方法もあれば、VPNサービスを利用する方法もあります。
固定IPの費用も必要ですか?
VPN方式やサービスによります。
固定IPが必要な構成もあれば、不要なサービスもあります。
VPNとクラウドではどちらが安いですか?
利用人数、データ容量、利用期間などによって異なります。
NASや社内ネットワークをそのまま利用したい場合と、ファイルをクラウドへ移行する場合では条件が違うため、単純な月額料金だけでは比較できません。
中小企業はどの方法を選べばいいですか?
まず、
何人が使うか・何にアクセスするか・誰が管理するか
を決めましょう。
その条件でメーカー機能、VPN、クラウド、リモートデスクトップなどを比較するのがおすすめです。
まとめ|NAS外部アクセスは「総費用」で比較しよう
NASへの外部アクセス費用は、選択する方法によって異なります。
比較するときは、
- 機器
- 初期設定
- 月額料金
- 利用人数
- 回線
- 保守
- 社内管理
まで含めて考えることが重要です。
特に中小企業では、
「誰が管理するのか」
によって実際のコストが大きく変わることがあります。
自社で管理できるならVPN機器を導入する方法が適する場合があります。
一方、IT担当者がいないなら、導入や運用を含めたサービスを利用したほうが負担を抑えられる可能性があります。
初期費用の安さだけでなく、3年間程度の総費用と管理負担を比較して判断しましょう。
NASへの外部アクセス環境を手軽に導入したい方へ
自社でVPN機器を購入・設定するのが難しい場合は、法人向けリモートアクセスVPNも選択肢になります。
料金だけでなく、機器・設定・運用・サポートまで含めて自社構築と比較してみましょう。


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