会社のNASに保存しているファイルを、自宅や外出先から確認したいことはありませんか。
テレワークや出張、営業先で仕事をしていると、
「会社に戻らないとNASの資料を確認できない」
「自宅から社内の共有フォルダを使いたい」
といった場面が出てきます。
NASは社内でファイルを共有するには便利ですが、通常は社内ネットワークから利用することを前提としています。
しかし、適切なリモートアクセス環境を構築すれば、社外から会社のNASへアクセスすることも可能です。
代表的な方法として、
- NASメーカーのリモートアクセス機能
- VPN
- クラウドサービス
- リモートデスクトップ
などがあります。
ただし、NASには顧客情報、見積書、契約書など重要なデータが保存されていることも多いため、単に「外からつながればよい」というわけではありません。
この記事では、中小企業がNASへ外部アクセスする主な方法と、それぞれのメリット・注意点、安全なリモートアクセス環境を作るポイントを解説します。
NASに外からアクセスする4つの方法
会社のNASへ外部からアクセスする方法は、大きく4つあります。
| 方法 | 導入しやすさ | 安全性 | 管理負担 | 向いているケース |
|---|---|---|---|---|
| メーカー機能 | ◎ | ○ | ○ | 手軽に始めたい |
| VPN | ○ | ◎ | △~○ | 法人・中小企業 |
| クラウド | ◎ | ○~◎ | ◎ | ファイル共有中心 |
| リモートデスクトップ | ○ | ○ | ○ | 社内PCを遠隔操作 |
どの方法が最適かは、
「何にアクセスしたいのか」「何人で利用するのか」「誰が管理するのか」
によって変わります。
【画像①挿入:NASに外からアクセスする4つの方法】

内容:
① メーカー機能
自宅PC → メーカーサービス → NAS
手軽に導入しやすい
② VPN
自宅PC → VPN → 社内ネットワーク → NAS
法人利用の有力な選択肢
③ クラウド
自宅PC ⇄ クラウドストレージ
ファイル共有が中心なら便利
④ リモートデスクトップ
自宅PC → 社内PC → NAS
社内PCを遠隔操作
下部:
目的・安全性・管理負担・費用を比較して選ぶ
方法1|NASメーカーのリモートアクセス機能を使う
NASメーカーによっては、外部からNASへアクセスするための専用機能やサービスを提供しています。
対応しているNASなら比較的簡単に設定できることがメリットです。
メリット
- 導入しやすい
- 専用VPN環境を構築しなくても利用できる場合がある
- メーカーの仕組みに沿って設定できる
- 個人や少人数でも利用しやすい
注意点
便利な一方で、
- 対応機種
- 対応OS
- 認証方式
- アクセス権限
- サービス仕様
- 法人利用への対応
などを確認する必要があります。
特に会社で利用する場合は、複数社員のアカウントを適切に管理できるか確認しましょう。
方法2|VPN経由でNASへアクセスする
法人・中小企業で有力な方法の一つがVPNです。
VPNを利用すると、
自宅・外出先のPC → インターネット → VPN → 社内ネットワーク → NAS
という経路で接続できます。
VPNでは通信を暗号化し、社外から社内ネットワークへ接続します。
そのため、NASそのものを直接インターネットへ公開するのではなく、VPNへ接続した利用者が社内NASを利用する構成にできます。
VPNを使うメリット
- 通信を暗号化できる
- NASを直接公開しない構成にできる
- 社内ネットワークへ接続できる
- 利用者を管理しやすい
- NAS以外の社内システムにも利用できる場合がある
一方で、VPN機器やサービスの設定・管理が必要になります。
「NASへの外部アクセスにVPNは本当に必要なのか?」については、こちらで詳しく解説しています。
関連記事:NAS外部アクセスにVPNは必要?法人・中小企業向けに安全な方法を解説
自宅から会社のNASへ安全にアクセスしたい方へ
VPNを利用したいけれど、
「VPNルーターの設定が分からない」
「社内にIT担当者がいない」
という中小企業では、法人向けリモートアクセスVPNを利用する方法もあります。
方法3|クラウドストレージを利用する
NASに保存しているファイルを社外から使いたいだけなら、クラウドストレージへ移行する方法もあります。
クラウドを利用すれば、インターネット環境があれば外部からファイルへアクセスできます。
メリット
- 外出先から利用しやすい
- VPN環境を構築しなくてもよい場合がある
- 複数人でファイル共有しやすい
- 自社でサーバーを管理する負担を減らせる
注意点
一方、
- 月額料金
- ストレージ容量
- アカウント管理
- アクセス権限
- データ移行
- 利用するサービスのセキュリティ
などを確認する必要があります。
NASを完全にクラウドへ置き換えるのか、
「社内NAS+クラウド」
で使い分けるのかも検討しましょう。
方法4|リモートデスクトップを利用する
自宅のパソコンから会社のパソコンを遠隔操作し、その会社のパソコンからNASへアクセスする方法もあります。
この場合、自宅PCからNASへ直接アクセスするのではありません。
自宅PC → 社内PC → NAS
という形になります。
メリット
社内PCで普段使用しているソフトウェアやファイルをそのまま利用しやすいことです。
NASだけでなく、会社のパソコン環境そのものを遠隔利用したい場合に適しています。
注意点
- 社内PCの電源管理
- リモートアクセスのセキュリティ
- 通信環境
- アカウント管理
などが必要です。
VPNとの違いについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:VPNとリモートデスクトップの違い
中小企業ならどの方法がおすすめ?
「どの方法が一番安全ですか?」
という質問に対して、一つの方法がすべての企業に最適とは限りません。
利用目的によって選ぶことが重要です。
数人だけがNASを使いたい
メーカーのリモートアクセス機能が要件を満たすなら、比較的簡単に導入できる場合があります。
複数社員が社内ネットワークを利用したい
NASだけでなく、ファイルサーバーや社内システムなども利用したい場合は、VPNが有力な選択肢です。
ファイル共有だけできればよい
社内ネットワークへ接続する必要がなければ、クラウドストレージのほうが管理しやすいケースがあります。
社内PCをそのまま使いたい
業務ソフトなどを含めて社内PCを操作したいなら、リモートデスクトップが選択肢になります。
つまり、
NASを使いたい=必ずVPN
ではありません。
「何を社外から利用したいのか」を先に決めることが重要です。

NASに外からアクセスするときのセキュリティ対策
どの方法を選んでも、セキュリティ対策は必要です。
NASを最新状態にする
NASのファームウェアやOSは定期的に確認します。
メーカーからセキュリティアップデートが提供された場合は、内容を確認して適用しましょう。
強いパスワードを使用する
簡単に推測できるパスワードや、他サービスと同じパスワードの使い回しは避けます。
多要素認証を利用する
利用するNASやVPN、クラウドサービスなどが対応している場合は、多要素認証の利用を検討しましょう。
不要なアカウントを削除する
退職した社員や現在利用していない社員のアカウントを残さないようにします。
アクセス権限を設定する
全社員がすべてのファイルを見る必要があるとは限りません。
部署や担当業務に応じて、必要なフォルダだけアクセスできるように設定します。
接続するパソコンも保護する
NAS側だけでなく、社外から接続するパソコンのセキュリティも重要です。
OSやソフトウェアを最新状態に保ち、会社のセキュリティルールに沿って管理します。
VPNを利用する場合のセキュリティ対策についてはこちらで詳しく解説しています。
関連記事:VPN利用時のセキュリティ対策|中小企業が注意したいポイントを解説
NASへの外部アクセスでやってはいけないこと
安易にNASをインターネットへ公開する
「ポートを開ければアクセスできた」
という理由だけで、そのまま業務利用するのは避けましょう。
外部公開する場合は、NASメーカーが推奨する設定やセキュリティ対策を確認する必要があります。
初期パスワードのまま使う
NAS、ルーター、VPN機器などを初期パスワードのまま使用しないようにします。
全員で同じアカウントを使う
社員全員が一つのID・パスワードを共有すると、
誰がアクセスしたのか
を管理しにくくなります。
できるだけ利用者ごとにアカウントを設定しましょう。
退職者のアカウントを放置する
退職時にはNASだけでなく、VPN、クラウド、メールなど業務用アカウントをまとめて停止する運用を作っておくと安心です。
NAS外部アクセスにはいくらかかる?
費用は選択する方法によって変わります。
メーカー機能なら追加費用を抑えられるケースもあります。
VPNを導入する場合は、
- VPN機器
- 初期設定
- 月額料金
- ユーザー料金
- 回線
- 固定IP
- 保守
などが必要になる場合があります。
クラウドなら利用人数や容量に応じて月額料金が発生するサービスが一般的です。
そのため、
初期費用だけではなく、数年間の総費用で比較する
ことが重要です。
NAS外部アクセスの費用についてはこちらで詳しく解説しています。
関連記事:法人向けにNAS外部アクセスを導入する費用の目安
VPNそのものの導入費用についてはこちらです。
関連記事:VPN導入費用はいくら必要?初期費用・月額料金・運用コストを徹底解説
VPNを使ったNAS外部アクセスを検討している中小企業へ
VPNを自社で構築する場合、機器代だけでなく設定・保守・ユーザー管理も必要になります。
IT担当者がいない会社なら、導入後の管理負担まで含めてサービスを比較することが重要です。
【CTA②:だれリモVPNの公式サイトを見る】
IT担当者がいない会社はどうすればいい?
中小企業では、
「NASを設置した人はいるけれど、ネットワークの専門家はいない」
というケースもあるでしょう。
その場合は、複雑な構成を自社だけで構築するよりも、導入や運用をサポートしてもらえる方法を検討するのも一つです。
特にVPNを利用するなら、
- 初期設定
- VPN機器
- ユーザー登録
- セキュリティ更新
- 接続トラブル
- 退職者のアカウント削除
などを誰が担当するのか決めておく必要があります。
VPN機器を自社で用意する場合はこちらも参考にしてください。
NAS外部アクセスについてよくある質問
NASには外からアクセスできますか?
対応する機能やサービス、VPNなどを利用することで可能です。
ただし、インターネットからアクセス可能にする場合は適切なセキュリティ対策が必要です。
NASへ外からアクセスするならVPNは必要ですか?
必須ではありません。
メーカーのリモートアクセス機能やクラウドなど、VPN以外の方法もあります。
ただし、社内ネットワークへ安全に接続してNASを利用したい場合、VPNは有力な方法です。
自宅から会社の共有フォルダを使えますか?
適切なリモートアクセス環境を構築すれば可能です。
VPNの場合、自宅から会社のVPNへ接続し、その後NASなどの共有フォルダを利用します。
スマートフォンからNASへアクセスできますか?
NASやサービスがスマートフォンに対応していれば可能な場合があります。
ただし、利用するサービスによって対応端末が異なるため確認が必要です。
NASを直接インターネットへ公開しても大丈夫ですか?
設定によって外部アクセスできるNASもありますが、業務利用ではセキュリティ設定を十分確認する必要があります。
単に外から接続できるようにするだけではなく、メーカー推奨の設定、認証、アップデート、アクセス権限などを適切に管理してください。
NASとクラウドはどちらがおすすめですか?
用途によって異なります。
社内ネットワークとの連携や大量データの保管などではNASが適する場合があります。
一方、外部からのファイル共有や管理負担を減らしたい場合はクラウドが適するケースがあります。
まとめ|NAS外部アクセスは「目的」から方法を選ぼう
会社のNASへ外からアクセスする方法は一つではありません。
代表的なのは、
- NASメーカーのリモートアクセス機能
- VPN
- クラウド
- リモートデスクトップ
の4つです。
重要なのは、
「VPNを導入するか」から考えるのではなく、「社外から何を利用したいのか」から考えることです。
NASのファイルだけならメーカー機能やクラウドが適している場合があります。
NASだけでなく社内ネットワークを利用したいならVPNが有力です。
会社のパソコンそのものを操作したいならリモートデスクトップという選択肢もあります。
そして法人利用では、
安全性・管理負担・費用
の3つを必ず比較しましょう。
社内NASへ安全にリモートアクセスしたい方へ
VPNを使って社内NASへアクセスしたいものの、
「VPN機器を自分で設定するのは難しい」
「社内にネットワーク担当者がいない」
という場合は、法人向けリモートアクセスVPNを利用する方法があります。
自社構築と比較するときは、機器代だけではなく設定・運用・サポートまで含めて検討しましょう。


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